よくあるご質問

診療についてよくいただく質問をまとめてみました。

質問と回答

Q:C型慢性肝炎について  ー C型肝炎ウイルスはどうやって感染するのか? ー

血液で感染します。1990年以前に輸血を受けた人、過去に大きな手術を受けた人、刺青(いれずみ)、覚せい剤のまわしうち、などが感染の原因です。92年以降の輸血ではほとんど感染していません。母子間感染は5%と少ないといわれています。また母乳、唾液にはウイルスはほとんどないとされています。夫婦間感染も少ないとされています。普通の日常生活では感染はしにくいのですが、歯ブラシ、かみそりは自分専用にする、食べ物の口移しはしない程度の注意は必要です。


Q:そのほかの肝疾患について  ー 急性肝炎とはどんな病気? ー

肝炎ウイルスにはA型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型、D型、E型とあります。

A型急性肝炎はカキなど貝類を生(なま)で食べることで感染します。つまり経口感染で、糞便中にウイルスが出るので家族内で広がることがあります。熱やだるさなど感冒症状のあとに黄疸(皮膚が黄色くなる)をきたします。自然によくなる病気ですが、劇症化することがあります。カキは火をとうしていただきましょう。A型急性肝炎は慢性化しません。一度かかると終世免疫ができます。

B型急性肝炎は血液感染し、また性感染症です。B型慢性肝炎患者はC型慢性肝炎よりもウイルス量が多いので、夫婦、男女間で感染します。唾液でも感染します。現在は輸血で感染する事は殆どありません。大人が感染すると普通は急性肝炎を起こして免疫ができ、慢性化することはないとされていました。ただし欧州で感染すると慢性化することがあるそうです。まれに劇症化するので、医療従事者はワクチンの接種が勧められています。B型は母子間感染しやすく、赤ちゃんの時に感染すると慢性肝炎になっていました。現在は出産後ワクチンを投与して感染を防ぐことができますので大丈夫。

E型急性肝炎は日本にないとされていましたが、最近シカなど野生動物を食べた人で(ナマで)劇症肝炎が発生しています。A型肝炎と似たウイルスで経口感染します。日本人は抗体を持つ人が少ないので症状が激烈にでるようです。生で食べるのは非常に危険です。



   Q : B型肝炎ワクチンについて どんな人が受けたらいいの?

直接患者さんの医療・ケアに携わり、患者さんに接触する方。医師、看護師、薬剤師、理学療法士、歯科衛生士やこれらの業務を補助する方や教育トレーニングを受ける方。

ほかにも、臨床検査技師、介護事業従事者,警察官なども挙げられています。

 Q:実際にはどのようにB型肝炎ワクチン受けるのでしょうか?

まずHBs抗原、HBs抗体の陰性を血液検査で確認します。HBs抗原陽性なら治療か経過観察が必要、HBs抗体陽性ならワクチンの必要はありません。

HBs抗原・HBs抗体がともに陰性の人に対し、第一回接種、1か月後に第二回接種、6か月後第三回接種し7~8か月後にHBs抗体陽性化を確認します。40歳以下なら92%、40才以上なら82%で

抗体陽性になります。1シリーズで陽性化しない場合には、もう1シリーズが薦められます。

2016年10月に我が国でもB型肝炎ワクチンが定期接種化され、1歳までに3回のワクチンを受けることになりました。